ブランド・マネージャー認定協会 BRAND MANAGEMENT AWARD

AWARD LIST 20242024年度受賞事例

岡山・ベトナム ベトナムと岡山の架け橋 ~日本一ベトナム人が幸せに暮らせる岡山を目指す「IPUカルチャー」~

岡山県内の在留外国人数は35,000人を超え、国籍別ではベトナムが2019年以降、中国を抜き最多になりました。
そこで、このブランドでは、「ベトナムと岡山の架け橋になり、日本で一番ベトナム人が幸せに暮らせる岡山をつくる」をパーパスとし、下記の3つの取組に挑戦しています。
①食と体験を通じた異文化交流を深め、無意識の偏見を無くす。
②外国人を雇用している企業にキッチンカーで訪問し、外国人が働きやすい環境をつくる。
③日本人と外国人が共存し、幸せに暮らせる岡山を目指す。

扇野 睦巳

扇野 睦巳 IPU環太平洋大学 特任准教授
株式会社ファーストデコ 
代表取締役
シニアトレーナー

岡山県岡山市出身。
結婚・出産後、子育てをしながら法政大学通信教育部経済学部商業学科に進学し、ブランディング・マーケティング・経営・会計を学ぶ。
2015年4月に中央大学大学院(MBA)に進学し、それに伴い拠点を岡山と東京に構える。
大学院では、SECIモデルを用いて100年企業のビジネスモデルイノベーションを研究し、暗黙知を通じた実践的形式知化をデザイン分野に活用。
2015年5月に株式会社ファーストデコを設立。
2017年度のブランディング事例コンテストでは「株式会社ワークスマイルラボ(旧:石井事務機センター)のビジネスモデルイノベーション」で大賞並びに中小企業庁特別賞を受賞。
2019年度には、2件の事例でSDGs審査員特別賞を受賞。
2021年9月より環太平洋大学に赴任し、ブランド戦略論の指導を開始。社会課題解決型ブランドの構築と実践を行う。
2022年度には、授業から誕生した「IPU Gibier(ジビエ)」で中小企業庁長官賞、2023年度は「ラグビーを通じて地域を元気にするIPUエシカルアスリート」で、学生と共にSDGs審査員特別賞を受賞。

グエン ティ タオ ゴック(3級取得)

グエン ティ タオ ゴック(3級取得) IPU環太平洋大学 環太平洋大学 経済経営学部 現代経営学科4年 扇野ゼミ所属

文田 夏帆(ブンダ ナツホ/3級取得)

文田 夏帆(ブンダ ナツホ/3級取得) IPU環太平洋大学 環太平洋大学 経済経営学部 現代経営学科3年 扇野ゼミ所属

当日の様子

ベトナムと岡山の架け橋 ~日本一ベトナム人が幸せに暮らせる岡山を目指す「IPUカルチャー」

2022年は「IPUジビエ」、2023年は「IPUエシカルアスリート」として3年連続ファイナリストとして挑戦した2024年のテーマは、「IPUカルチャー」。これは、「ベトナムと岡山の架け橋になり、日本で一番ベトナム人が幸せに暮らせる岡山をつくる」をパーパスに取り組んだブランディング事例です。

まず、2030年のブランドビジョンを「ベトナムと岡山空港の直行便を開通させる」と決定。市場機会は「食と体験を通じた異文化交流」とし、バックキャストから「無意識の偏見をなくし、外国人が働きやすい環境を作り、幸せに暮らせる岡山を目指す」という3段階のSDGsドミノによる計画を立てました。

フェーズ1のペルソナは、ベトナム人を育成し、留学生と交流を持ちたいと考えている「製造業経営者の山田さん」に設定。ブランド・アイデンティティは「環太平洋エリアに住む人々の心に花を咲かせる」とし、ネーミングは「IPU Culture」に。ロゴマークでは、環太平洋エリアの国の国花をモチーフに多様性と一体感を表現。ブランドカラーは「自由、独立、博愛」を意味するターコイズブルーを選び、タグラインは「ベトナムと岡山の架け橋」としました。

ブランド体験では、授業を通じて異文化交流イベントを実施。一般的なベトナム料理を日本人向けにアレンジして提供することからスタートし、昨年からはオープンキャンパスに参加する高校生向けにベトナムスイーツ「チェー」を提供するなど、学外浸透にも取り組みました。

さらに、地域の方々向けに防災をテーマにした交流会「IPUフェスタ」も開催しました。 学内のビジネスプランコンテストがきっかけでキッチンカーが導入されることになったことからフェーズ2に移行し、BtoBtoEのビジネスプランに挑戦。

食べやすい「岡山パクチー」の生産者アーチファーム様をコラボレーターとし、ペルソナが経営する会社に最も近い株式会社TANIGAWA様にご協力いただき、テストマーケティングを実施しました。

フォーを提供した60人のうち36人の方にアンケートに答えていただき、ベトナム人はもちろん、日本人からも喜びの声がいただけ、次につながる活動になりました。

 

  • ●料理を作ってくれて本当にありがとうございました。
  • ●とても美味しいし、便利だと思います。 ベトナム料理を日本全国に広め、皆が美味しい料理を楽しめるように引き続き努力します。
  • ●次回にスープにもっとハーブを加えてください。
  • ●料理をご提供して頂き、ありがとうございました。仲間のふるさとの文化を体験出来て、良かったです。仲間との距離感を縮まる事出来ました。感謝します。今後また機会があったら、またよろしくお願いいたします。料理を提供して頂ける生徒様にお礼を伝えてお願いいたします。「皆様、ありがとうございました。」
  • ●ランチタイムにベトナム料理を食べさせて頂き、最高です。 御馳走様でした。先生と学生皆さん、誠にありがとうございました。

 

テレビや新聞にも報道され、学生さんの非認知能力の育成の見える化にもつながりました。

今後は、ほかの国への横展開で、人々の心に花を咲かせ、日本で一番外国人が幸せに暮らせる岡山に挑戦していきます。

2024年度受賞一覧