ブランド・マネージャー認定協会 BRAND MANAGEMENT AWARD

FINALISTファイナリスト

埼玉県 神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦

上之雷電神社は「電気の神様」として古くから地域に根差し、現代では電気・通信安全祈願など新たな価値を提供。ロゴをはじめ看板等の視覚イメージの新規導入、地域企業との連携や催しを通じて若年層や家族層の参拝が増加し、地域経済へも波及。伝統と革新を融合したブランディングで、地域共創の輪を広げています。

熊谷 明美

熊谷 明美 AK・design 合同会社 1級資格保持者

武蔵野美術大学卒、デザイン歴20年以上。青山のデザイン事務所や企業の企画部等で多様な案件に従事後、
2008年AK・design設立。
企業・店舗・団体等の広報、Web制作のブランディングデザインを手がけ、熊谷商工会議所青年部会長など、
地域に根ざした多彩な活動にも従事。ブランド・マネージャー1級資格を持ち、デザイン×経営の視点で課題解決に挑む。

当日の様子

神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦

「神社が紡ぐ人と地域の未来 雷電神社の新たな価値創造への挑戦」は、古くから地域に根差す神社が継承・発展の道を選び、氏子離れや地域経済との接点不足などの課題解決に挑戦した事例です。埼玉屈指の由緒を持ち「電気の神様」として知られる上之雷電神社では、「氏子離れ」「価値の喪失」「資金不足と地域経済との接点不足」という3つの課題に直面しており、存続の危機にあったことから、ブランディングの取り組みを開始。“ことあげせず”という慣習的な考え方を変えて、氏子だけに頼るのではなく、神社の価値を社会へ伝えることに挑戦しました。

ブランド・アイデンティティは「雷神に護られ、心の充電ができる場所」とし、機能的価値は「地域のつながりを再生する出会いと循環の場」「文化継承を支える体験と参加の場」、情緒的価値には「少子高齢化の時代に心の拠り所」「地域への誇りと安心感を生む精神的支柱」を挙げました。また、視覚的なブランド展開として、2つの社印の間に雷マークを配して安定感と調和を表したロゴを設計。ロゴでは黄金、茄子紺、朱緋色の3色で電気加護や商売繁盛、除災招福、高貴な神霊、命、充電、縁結びなどを表現しました。

さらに体験型のブランド価値として、ARの参拝体験を開始。授与品も雷神と電気の神様にちなんだ特徴的なものにし、話題性と特別感を持たせました。四季折々の神事や祭事を通じて、参拝者と神社の絆を深める機会も創出。SNSやウェブでの発信や地域メディアの活用で独自の価値を広く届けるとともに、地元の電機関連企業とのコラボレーション企画も進めています。また、ブランド理念の共有会を実施し、一体となって運営できるよう役割分担を明確にして、マニュアル化、デジタル化を推進しました。

こうしたブランディングにより、若年層や家族連れの来訪が大幅に増加。イベント参加も増え、3年前との比較でおみくじは12倍、ご祈祷は7倍に増加しました。また、毎日参拝者があり、神社境内の空気が変化。境内整備資金の確保にも成功し、地域のイベントでの店舗売り上げも向上。観光客の増加により約850万円の経済波及効果を生みました。

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