AWARD LIST 20242024年度受賞事例

全国 逆境を乗り越える贅沢保湿ティシューのリブランディング

風邪・花粉の時期に需要が高まる保湿ティシュー市場は、コロナ禍でのマスク着用・リモートワークの増加により売上が低迷。トップメーカーとして、発売から約30年を迎える贅沢保湿ティシューの次世代に合わせたリブランディングに取り組み、23年度の売上53億円と前年度比120%超のV字回復を達成。
本プレゼンでは、①逆境下における準備と②ビジネス成果を出すためのリブランディングのポイントについて共有します。

八上 重貴 大王製紙株式会社 2級資格保持者
製紙会社に入社後、日用品部門の営業として九州エリアを担当。既存先での活動に加え、新規ルート開拓を経験。自らキャリアを選べる人材を目指し、グロービス経営大学院にてMBAを取得。社内公募制度を利用しマーケティング部へ異動。ベビーおむつ・生理用品など担当ブランドの収益改善に貢献。2022年からエリエールブランドのティシューカテゴリを担当し過去最高売上を達成。育児休業を取得中。
事例概要
逆境を乗り越える贅沢保湿ティシューのリブランディング
「逆境を乗り越える贅沢保湿ティシューのリブランディング」は、製紙・日用品メーカーの大王製紙が自社製品のリブランディングに取り組んだ事例です。風邪・花粉の時期に需要が高まる保湿ティシュー市場は、コロナ禍でのマスク着用・リモートワークの増加で低迷。そこでトップメーカーの同社は、発売から約30年となる「エリエール 贅沢保湿ティシュー」の次世代に合わせたリブランディングに着手しました。
まず現状を正しく分析し、30%超の潜在需要に対して使用率は10%程度とギャップがあることを認識。とくに差が大きい若年層に価値を伝える機会を作り、ライフタイムバリューを高める必要があると判断。商品価値の訴求・使用シーン拡大や、独自性を磨いて価格競争から脱却することで「顧客にとってなくてはならないブランド」の実現を目指しました。
ブランド・アイデンティティを「エリエール史上最高にやさしいティシュー」と決め、パッケージデザインは店頭で目を引き、保湿感を象徴する深い青のグラデーションを採用。ロゴは一目で保湿ティシューだと認識でき、“肌へのやさしさ”が伝わることを意識。機能的価値である、肌こすれによるトラブルを軽減する独自の“うるおいバリア製法”をアピールし、使用シーン拡大のためソフトパックタイプも発売しました。
また、インターナルブランディングを重視し、自社営業に6年ぶりの大型リニューアルの熱を伝える目的で特注の商談サンプルを組み入れる取り組みも実施。さらにオウンドメディアを充実させて商品期待値を高めた上で、新規ユーザー獲得を狙った生活者参加型のSNSキャンペーンも実施しました。これらのリブランディングにより、2023年度売り上げは、前年比約120%となるなど、逆境を糧にしたV字回復を達成しました。
