ブランド・マネージャー認定協会 BRAND MANAGEMENT AWARD

AWARD LIST 20242024年度受賞事例

福岡県 〜医療と介護福祉で多角化している調剤薬局の挑戦〜 垣根を越えて組織がひとつになるインターナルブランディング

福神グループ(株式会社ワタナベ)は、地元福岡に根ざした地域密着企業です。
調剤薬局を柱に、在宅医療サービス、医院開業の支援、福祉施設の運営、福祉用具のレンタル、OTC商品の販売、オリジナル商品の開発・販売、薬局併設のカフェ運営等、医療福祉の分野で幅広く事業を展開しています。設立から30年以上が経ち、事業が多岐に渡って多くの職種がある分、部門の垣根ができてきました。今後、グループ全体が一つになり、総合力を発揮するためにインターナルブランディングに取り組みました。

海野 康弘

海野 康弘 株式会社バウンディングパルス マスタートレーナー
プラクティショナー

全国展開の人材コンサルティング会社にて営業・コンサルタントとして、大手通信事業グループ(携帯キャリア本社、九州支社/IT・システム開発/各グループ会社)、大手メーカー(食品、電機等)、九州の地場インフラ系企業の人材の戦略設計、育成計画~教育研修に至る様々な課題解決に従事。その間、営業責任者を歴任し、多くの実績とマネジメント経験を積む。
通販系広告代理店にて、いちクライアント専任体制でマーケティング戦略やコミュニケーションデザインなど、クライアント企業の事業成長のための計画づくりと実行までのプロデュース業務を担当。さらに、戦略系コンサルティング会社にて九州地場大手メーカー、インフラ企業の事業戦略~実行支援、組織の活性化、人材育成に至る一連の問題解決に従 事する。
コンサルティングと広告の仕事を通じて、企業や事業が成長し、いきいきと働きがいのある会社組織となるためには、顧客やマーケットに向けたブランドづくり(アウターブランディング)と組織内へのブランドづくり(インナーブランディング)の両方が大切であることを強く実感。
“すべての働く人たちが心躍る仕事を”信条に当社を設立。新規事業ブランディング、商品・サービスのリブランディング、企業向けブランド・マネージャー研修等を行う。

当日の様子

〜医療と介護福祉で多角化している調剤薬局の挑戦〜 垣根を越えて組織がひとつになるインターナルブランディング

「調剤薬局のインターナルブランディング」は、医療と介護福祉で多角的に事業を展開する調剤薬局・福神グループが垣根を越えて組織を一つにするためにインターナルブランディングに挑んだ事例です。同グループでは、各事業部が感じている「福神グループの強み」が一致していなかったため、強みや存在意義を明確化して周知・浸透させる取り組みに着手。ブランド推進委員会(Brand Driving Force=BDF)を発足し、プロジェクトを進めました。

プロジェクトは「ブランディングの勉強会」「グループ全体の理念の言語化」「各事業部のブランド・アイデンティティ策定」の3段階で実施。「勉強会」は7回実施し、様々な角度からブランディングを学びました。また、「理念の言語化」ではミッション、ビジョン、バリュー、スピリットで言語化を進め、ミッションは、医療ビル・医療モールへの出店や福祉事業への進出などを「福神グループらしさ」と捉え、「時代に挑み、生きるをつなぐ。」に。ビジョンは「Life is beautiful 彩りある日々を、ともに。」と決めました。さらに、全体の理念を表す言葉として「みらいい志向。」というスローガンを設定。これらは既存の企業理念とともに「福神フィロソフィー」としてまとめ、社内リリースで発表しました。また、ブランドブック「みらいいスタイル」と社内報「みらいいバトン」を作成し、理念をまとめたクレドカードも配布しました。

「事業部のブランド・アイデンティティ策定」では、ブランド構築ステップに基づいてブランド・アイデンティティまで各チームで作り、管理者研修でブランド体験まで考える形を採用。こうした取り組みの結果、BDFメンバーからは「自分たちで考えたから納得感があるものができた」などの声が寄せられ、ブランド・エンゲージメント診断では全体スコアがそれぞれ上昇傾向にあるという結果も得られました。

2024年度受賞一覧